クラスの“人間理解”や“つながり” その豊かさが、劇にあらわれる

 

中高学年劇の会を終えて

クラスの“人間理解”や“つながり”

その豊かさが、劇にあらわれる


 4年生と6年生の劇の会がおわりました。4年生・6年生とも、学級らしさあふれる劇を観ることができてとてもいい劇の会だったなという思いです。おうちの方から劇の会の感想がたくさん届きました。届いた感想に複数書かかれていたことですが、なぜ2年・4年・6年生が劇に取り組むのか・・・。

劇はいろんな役の関係性が見えることでその表現や話の世界が伝わります。その関係性は、言葉や動きを機械的に順番につなげるだけでも伝わりますが、それでは物足りなく感じるでしょう。そうではなく、役と役の間に生まれる雰囲気や、集団で作り出す動きがあってはじめて劇の奥深さ、おもしろさが生まれます。お話がまるでひとつの生き物のように一体となって展開し、観ているものにせまってくるのは、深い関係性を表現できる“子ども同士の関係性”が育っているからだと私は思っています。2年という成長の節の中で、いいこともそうでないこともたくさんくぐり、向き合い、築いてきた“人間理解”や“つながり”。その豊かさが、劇にあらわれたのではないでしょうか。鶴小の子どもたちの、すごさを感じるのです。

届いた感想を紹介します。


4年1組 きつねはだれだ

●劇の会とても楽しかったです!準備も含めてありがとうございました。コミカルなみんなの演技が見ていてほんとうに面白かったです。保護者席はわりと後ろの方でしたが、声もはっきり聞こえて、子どもたちの表情もよく見えていました。もしかして、みんなキツネなのかか…?!と気付いた時は、自分もあのおじさん達みたいに一緒になって、だまされた!という感じがしました。最後、席の間を通り抜けていくおじいさんたちが、とっても面白かったです。さいごのさいごまで、おじいさんになりきっていてすごいな~と思いました。(4年1組のおうちの方)


4年2組 王様の命令

●細かい内容は子どもから何も聞かされず、観る方が緊張してしまいましたが、幕が開けると集中して取り組んできた自信がそうさせるのか、緊張している様子は見られず、みんなのイキイキした演技に引き込まれました。王様、王子、兵士の衣装も本格的で素敵でした。衣装を作って下さった保護者の方、ありがとうございました。また、脚本決め、役決め、ストーリーの細かい変更など、子どもの気もちに寄り添って支えて下さった先生方、どうもありがとうございました。3年生の子に「N(息子)の役、ぴったりだった」と言われ、親としては少し複雑な気持ちですが(笑)、みんなと楽しい劇ができてよかったです。6年生の劇も今から楽しみです!(4年2組のおうちの方)


6年1組 戦争を知らない子どもたち

●劇の会が終わって、娘の台本を見せてもらったら、たくさん書き込みがありました。照明の担当だったため、どの場面をどの照明をどのように当てるのかが暗号のように書き込まれており、演じるだけじゃなくて、裏方もそれぞれに役割をもって作りこんでいった劇だったこと、本当にすごいなと感じ入りました。本番に向けて一人一人が真剣に取り組み、高みを目指していった日々、全員で完成させた劇。当日は4つの演目、それぞれにクラスの個性が出るものなんだなぁ、と楽しく拝見しました。6-1「戦争を知らない子どもたち」この劇をやろうと決めたところから、6-1の子どもたちの想いが伝わってきましたが、当日は難しい内容を伝え切っていて、最後は涙が止まらない素晴らしい演出でした。沖縄学習を経て「伝えたい」「伝えなくては」をきちんと形にしてくれた6-1の皆さんに心から敬意を表します。ありがとうございました。(6年1組のおうちの方)


6年2組 バンナナと殿さま

劇の会がついに終わてしまいました…じっくり観られたのはわが子のクラスだけだったのですが、恥ずかしさも感じるであろう年ごろにもかかわらず、演じることにこれだけ真摯になれるのは、和光の子ならではの向き合い方なのではないかと改めて感心しています。6-2の劇、始まる前は祈るような気持ちでいましたが、冒頭、弁士のセリフが流れるように始まりおお!と惹きつけられてからは、すっかり楽しさが勝りました。劇中、演者の上手さにはもちろんのこと、演者と照明と音響すべてとの間がなんとも秀逸で、子どもがやっているのだという感覚もなく、あははと気持ちよく笑わせてもらう場面がたくさんありました。要所要所、観客のみなさんにどかんどかんとウケていて、これだけ楽しんでもらえるなんて生粋の喜劇もいいものだなと思いました。全体を通して、子どもが最初に持ち帰り読ませてもらった台本よりもお話が面白くなっていたように感じられて、たった2週間ほどの間にどうやって形になっていくのか、作り上げられる課程をドキュメント番組のように見られたらいいのにと思いました。

我が子が「バンナナと殿さま」という題名の劇で、その殿さまをやる気になったのは意外でした。題名を見る限り、殿さまって主役?!どっちかというとシャイで引っ込み思案の子かと…いつの間にそんなことを言い出すようになっていたのでしょう。当然と言えばそうなのですが私にとってはわが子が自分とは別の人格として歩んでいることを初めて認識できた出来事となりました。やってみたいけど、と迷っている時、クラスの子の「Jちゃんにぴったり!」の一言に背中を押され勇気を出したようなのです。親の知らないところでいろいろと心を動かして大きな決心をしていたんだなと、感慨深いです。実際にやってみるとやはり難しさもあったようで、途中落ち込んだりもしていましたが、あきらめずに自主練を積んだりして迎えたゲネプロでは自信をつけられた様子でした。そして迎えた本番…なんと本人曰く「すごい大事なところで間違っちゃった…」そうです。終わった次の日などは自責の念から「オレもう一回劇やりたい」リベンジしたいと繰り返し後悔を口にしていて、親としては気持ちがわかり胸が痛みつつ、あれだけ大勢の人の前で自分の役をやってのけただけでも上々だし、セリフの言い方も最初家でやっていたよりずいぶん進化していたので感心していて、何はともあれよくやったひたすら褒めたい気持ちです。苦い思いも経験の一つ。続く人生の中で糧にしていってもらえたらと願うばかりです。(6年2組のおうちの方)



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