2年生活勉強『パンを作って食べる』「はんのみんなできょうりょくして、SHIMAさんみたいなふわふわもっちりパンを作りたい」

イメージ
 2年生は毎年、生活勉強でパン作りを行っています。そして秋頃に、自分たちで作ったパンでパン屋さんを開き、たてわり学級に本物のお金で売る、という学習をしています。 2年1組は、小麦のアレルギーの子どもがいるため、『米粉でパン作り』に挑戦! 「できたー!!」 班のみんなでピース♫  まずは子どもたちが自分たちで、必要な材料、使う道具、作り方(レシピ)を調べてきて、クラスで発表。本で調べるだけでなく、パン作りにくわしい人や、中には近所の米粉パン屋さんに足を運んでインタビューしてきたり、実際におうちでためしに作ったりして、子どもたちからたくさんの情報が届きました。  そして1回目のパン作りに向けて、班ごとに計画を立てました。まずは班ごとに、作りたいパンを決めて、材料と分量、使う道具、作り方を自分たちで調べて計画し、1回目のパン作りに挑戦!! はかりを使って、自分たちで分量をはかるところから… 自分たちでたてた計画書を見ながら、水をちょびっとずつ入れて・・・ まぜる!! 『フライパンで米粉パン』の班は、そのままフライパンに流しいれ・・・ 温めたフライパンで発酵 → 焼く → 裏返してまた焼く 『米粉ベーグル』に挑戦の班は、 発酵 → まるめて・・・ 穴をあけてオーブンへ・・・ 「焼けたかな?」 『基本のまるパン』に挑戦の班は、 オーブンで 発酵 → まるめて → 焼く オーブンの前で 見守る子どもたちが かわいい! 『基本のまるパン』の班は・・・・ 『フライパンで米粉パン』の班は・・・・ 『米粉ベーグル』に挑戦の班は・・・・ そして、お弁当の時間に自分たちが焼いたパンを食べてみると・・・ 「しょっぱい!!」  「あじがしない……」  「‥‥かたい」  どの班も、計画したことを協力してよくがんばりました!! 初めてなので、上手においしいパンができなくたって、失敗したってあたりまえ!   むしろ大事なのは、その失敗から振り返って、「なんでしょっぱくなったのか?」「なんでふわふわにならなかったのか?」など、 考えて → 調べて → 計画して → やってみる → ふりかえりをして、新たな疑問  この学習のサイクルを大事にしたいと思っています。  ちなみに、2年1組は、クラスでふりかえりをした時、『基本のまるパン』で2の1パン屋さんを開こう!と決まりました。 開店できるように、これから...

3学期の始業式 「それしかないわけないでしょう」

3学期の始業式は新型コロナウイルス感染予防のため放送で行われました。そこで私は次のような話をしました。

「あけましておめでとうございます。2022年、新しい年が始まりました。今日から3学期、一年の締めくくりの学期が始まります。冬休みはゆっくり過ごすことができましたか?楽しめましたか?
さて今日は1冊の絵本を紹介します。絵本なので本当は絵を見せながら紹介したいのですが、放送なので絵は見せられません。ヨシタケ シンスケさんという人が書いている『それしかないわけないでしょう』(白泉社)という本です。有名な人の本なので読んだことがある人もいるかもしれませんね。全部は紹介できないので一部を紹介しますね。
ある女の子がお兄ちゃんに『ねえねえ、しってる?みらいはたいへんなんだぜ。みらいのせかいは、たいへんなことばっかりなんだってさ。ともだちがおとなからきいたんだってさ。ひとがふえすぎて たべものがなくなったり びょうきがはやったり せんそうがおきたり うちゅうじんがせめてきたり ちきゅうがこわれたり するんだって。』と言われます。これをきいた女の子は『ガーン』ショックを受けて おばあちゃんに『みらいがたいへんなの おにいちゃんがこんなふうにいってたの』と話します。おばあちゃんは『あー』といった後で、こう続けます。『だーいじょうぶよ!みらいがどうなるかなんて だれにもわかんないんだから!たいへんなことだけじゃなくて たのしいことやおもしろいことも たーくさんあるんだから!おとなはすぐに”みらいは きっとこうなる”とか”だからこうするしかない”とかいうの。でも たいていは あたらないのよ。あと おとなはよく”コレとコレ、どっちにする?”とかいうけれど どっちも ちがうなあーって おもったときはあたらしいものを じぶんで みつけちゃえばいいのよ!みらいは たーくさん あるんだから!』と話します。女の子は『そっか。ふたつとかみっつしかないわけないもんね』と納得し、おばあちゃんは『そうよ!それしかないわけないじゃない!』と応えます。
この絵本は続きもありますが、興味のある人は校長室にあるので読みに来てください。他にもヨシタケ シンスケさんの絵本は、たくさんあるので、図書室などでも読んでみてください。
地球温暖化で気候変動が起きたり、環境破壊が進んだり、新型コロナウイルス感染が広がったり、大人でもどうしたらいいのかなかなか答えが見つからない、むずかしい問題が、今、世界にはたくさんあります。でも、暗いことばかりじゃありません。若い人たちが中心となって世界中で手をとりあって温暖化が進まないように声をあげたり、SDGsと言って誰ひとり取り残されることなく人類が安定してこの地球で暮らし続けることができるように目標を持ち協力したり、世界の人たちが力を合わせて問題を解決していこうとする動きもたくさんあるのです。
これからの未来や社会をつくっていくのは きみたち子どもであり、共にくらす私たち大人です。どんな未来や社会を選ぶのか、それも私たちなのです。
どうしたらみんなが幸せに暮らしていける社会をつくっていけるか学び、考え続けていきたいですね。おかしいなと思うことがあれば変えていけばいいのです。みんなで考え、問題の答えをあーだ こーだ いいながら話し合って解決していけばいいのです。一人では無理なことも、みんなで考え力を合わせれば変えられることはたくさんあります。まちがえたって 失敗したっていいんです。あきらめないことが大事です。そんな力をつけるために学校はあるのだと思います。
3学期、劇の会もありますね。他にも楽しみなこと、たくさんあると思います。引き続き新型コロナウイルスの感染には気をつけつつ、みんなが充実した学校生活を送れることを祈っています。」

放送で話したので子どもたちがどんな風に受け止めてくれたのかわからず「低学年の子どもには難しかったかな?伝わったのかな?」などと思っていました。
その後、何人かの子どもが絵本のつづきを読みに校長室に来てくれました。うれしいことです。5年生のSさんは絵本の続きを読んだ後「それしかないものもあるよ。その人の作った作品」と話してくれました。確かに美術や技術で作った作品は”それしかないもの”です。3年生のKくんは考えて「たべもの」と応えてくれました。「だってその人しかつくれないたべものってあるでしょう」「なるほど。それしかないものもあるね。他にもあるかな?」とその話題で盛り上がりました。
3年生のあるクラスからは「続きを知りたい」「これから、どうなるの?」という声があったそうで、お弁当の時間にこの絵本を読みに行かせてもらいました。

大野先生読み聞かせ (1)

子どもたちはお弁当を食べながらも時々笑いながら楽しんで聞いてくれました。読み終わった後、ストーブの前で何人かの子どもたちが集まって、この本のことを話していたそうです。こんな風に子どもたちが話し合うきっかけになったことがちょっとうれしく感じました。私にとっても楽しいひと時でした。

校長 大野裕一